11文字の殺人(東野圭吾)

11文字の殺人 (光文社文庫)

11文字の殺人 (光文社文庫)


「気が小さいのさ」あたしが覚えている彼の最後の言葉だ。あたしの恋人が殺された。彼は最近「狙われている」と怯えていた。そして、彼の遺品の中から、大切な資料が盗まれた。女流推理作家のあたしは、編集者の冬子とともに真相を追う。しかし彼を接点に、次々と人が殺されて…。

王道。

僕の中のミステリー小説のイメージをそのまま物語にしたような話。アリバイトリックとか、動機とか、そんなミステリー用語が溢れるのも、たまに読むと案外悪くないものです。中身はといえば、こちらは同時にエントリーした「ステップファザーステップ」とは真逆で、誰もが暗い側面を持っていて、ちょっと救いのない印象。

世の中はなんだかんだ言いつつも温かく優しいのか。それとも冷たく暗いのか。