夜明けまで1マイル―Somebody loves you(村山由佳)

夜明けまで1マイル somebody loves you (集英社文庫)

夜明けまで1マイル somebody loves you (集英社文庫)


これはフリンなんかじゃない、恋だ。
バンドとバイトに明け暮れる大学生の「僕」。美人でクールな講師のマリコ先生に恋したけれど、学生と教師、しかもマリコ先生には夫がいる。不器用でひたむきな青春の恋の行方。

読み終えてため息をつく。

おもいっきり恋愛小説。失恋したときに泣きたくなるほどの恋愛ってこういうのなんだろうなぁ、とつくづく。失いたくないものだけど、そう遠くない未来に失うことはわかってて。それでも、その問題に触れないでおけば失わないんで済むんじゃないのか。抽象的だけど、そんなことを考えながら主人公は動いてたんじゃないかな、と思います。そんなことを考えずに立ち向かえる人は強いと思うけど、立ち向かうまでに偉い時間のかかる人や臆病になって立ち向かうのを避ける人もいる。そしておそらく、そうした人のほうが圧倒的に多いのでしょう。それなら自分もやっぱり……と、考えさせられました。

村山由佳さんのもの自体は今回初めて読んだけど、もう2,3冊くらい読んでみようかと思います。「おいしいコーヒーの入れ方」シリーズはさらに気に入ったらってことにしよう。