心とろかすような―マサの事件簿(宮部みゆき)

父親で所長の浩一郎、長女で短大卒業後、父親の許で女性調査員として働き始めた加代子、次女で美術の方面に進みたい希望を持っている高校生の糸子、それに前作で蓮見一家と親しくなった好青年、諸岡進也…お馴染みの人たちが遭遇する五つの事件。本書は、そこに登場する様々な人間たちの実像に、あくまでも真っ向から立ち向かおうとする彼らの活躍をマサの目を通して語る、初短編集である。

久しぶりに。

お金がなかったので、久しぶりに昔の本を引っ張り出して再読しました。なんというか、懐かしいです。あえて、考えることはできるけど人間とは言葉で意思疎通できない犬という視点からの描写というのはいまだ新鮮だと思います。そのせいか、どことなくコミカルに映るのだけど、それでいて扱うテーマは社会問題に関わっていたりするから油断できません。広げて考えようと思えば、いくらでも広がっていくところはあるんじゃないでしょうか。