サウスベリィの下で(原田宇陀児)


あのとき。
僕が初めて姉さんに唇を奪われたのも、
そう、あんな感じの、サウスベリィの樹の下でだった――

この人の話は初めて。この文芸誌の中にあって、ちょっと毛色が違うな、というのが最初の感想。恋愛的な要素を前面に押し出してくるのは珍しかったかな。ライトノベル的恋愛もの、と言ってしまえば、そうなのかも、と納得してしまいます。

全体としては、個人レベルでの理解力が足りないんだか、いまいち伝わるものが少なかったかな。言葉にはならない印象みたいなものはある程度残るんだけど、それだけというか。ちょっと残念。