白夜行(東野圭吾)

白夜行 (集英社文庫)

白夜行 (集英社文庫)

19年前の大阪の質屋殺し。迷宮入りしたこの事件に関係した少年と少女が歩んだ道は…。絶望の白い光の中、魂の荒野を行く男と女を、叙事詩的スケールで描く傑作ミステリー長篇。

震えたね。

主人公は二人です。けれど、その二人は決して何も語りません。真意も意図も理由も僕らにはうかがい知ることはできません。それでも、その周りにいる登場人物から見た彼らの行動を追っていくだけで、読み手である僕らはいろいろなことを考えることができるんです。たいていの物語の場合、主人公のモノローグによってわかるものも多いはずなのに、それを一切やらないのはある意味画期的。でも、そうやって、見えるものから以外は何もわからないのは、普通に人と接している場面ではごく当たり前のことなのですよね。

ちなみに、見た目はとても分厚い本です。正直、読むかどうか一瞬ためらわれるくらいの長さです。けれど、読み始めるとこれがなかなかどうして辞められない。それだけに、かなり読者をひきつける力がある小説だと思います。

個人的には多分、300P/日ペースで読んでたのではないでしょうか。