虹を操る少年(東野圭吾)

虹を操る少年 (講談社文庫)

虹を操る少年 (講談社文庫)

「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんな、そのことに気づいていないだけさ」。“光”を“演奏”することでメッセージを発信する天才高校生・光瑠(みつる)。彼の「光楽」に、感応し集う若者たち。しかし、その力の大きさを知った大人たちの魔の手が忍び寄る。新次元コミュニケーションをめぐる傑作長編ミステリ。

都合のいい「絶対色感」ならほしいかな。

光を音楽のように演奏する、というのが今回の話の中心。それだけ聞くと少しファンタジーっぽくて、なんだかステキです。でも、それがおとぎの世界でならロマンチックで済んだのかもしれないけど、現実になるとそうも言えない。新しいものには、有害性を探そうとするし、まずは拒絶から入ってしまうというのが大人なのでしょう。そういう意味では、主人公の協力者の軸、反対者の軸、いくつもの視点があってバランスが取れていたなぁ、と。

ところで、終わり方はこれでいいのでしょうか。似たようなタイミングで終わったものを、以前にもどこかで読んだような気が……。